翌朝、早々にホテルを出発。El Pasoから東へ向かうUS62という道で、 国立公園を目指しました。 El Pasoは思ったより小さい町で（それでも人口60万以上らしいですが）、 町並みを抜けるとそこはもう、荒野。交通量もあまり多くなく、 70mphくらいでで快調に走っていたところ、出発してから30マイルほどの地点に突然、 STOPサインが出ていて、急ブレーキを踏むはめになりました。 何事？事故でもあったのか？とびっくりしていたら、そこでは国境警備隊の係員が 待ち構えていて、抜打ち的な？パスポートチェックを行っていました。 何でこんなところで、、という感じでしたが、どうも聞くところによるとEl Pasoと、 川の対岸にあるお隣りMexicoのJuarezの町は、国境から30マイル以内かつ72時間以内の 滞在であればアメリカ市民・メキシコ市民に限り自由に行き来できるという 取り決めになっているそうで、恐らくその適用のために、わざわざこんな町外れで 不法入国を取り締まっているのではないか、と想像します。

で、今回は、たまたまパスポートを用意して携帯していたので 問題はなかったのですが、、（時間があればJuarezに足を伸ばそうと思ってた） しかし、、普段アメリカ国内を移動する限りはパスポートを持ち歩いたりしませんから 一つ間違えたら面倒に巻き込まれるところでした。 だいたい、アメリカ国内だけを移動してて、国境を越えるわけでもないのに、 なんでパスポートの提示がいるのか理不尽な気がしないでもないですが。。 無論、パスポートは常に携帯するのが建前だろうけど、 長期滞在してる人なら、ふつー、家で大事に保管するんじゃないかなー、、 無くすと一大事だし、肌身離さずというわけにいかないと思います。 ということで、El Paso近辺を旅行しようという人は、要注意です。 Yahooの掲示板で聞いてみたら、州の運転免許と学生証とかでもOKだという話も あるようですが、、万一のことを考えてやっぱりパスポートを携帯しておくべき って感じです。

さて、最初に立ち寄ったのは、 Guadalupe国立公園。 ちょっとマイナーな国立公園です。年間訪れる人も24万人ほどと、Great Smoky Mtn.の 1000万人に比べたらずいぶん少ないです。この公園の売りは、、二畳紀の海中の化石 岩礁だそうです。その方面の研究者の間では有名だそうですが、、一般の観光客に とっては、南西部特有の荒荒しい自然の景色が観光のポイントらしかったです。 トレイルもいくつかあったのですが、時間も無かったので、ビジダーセンター近くの １マイル弱の舗装済み散歩道を歩くだけにしました。1800年代の馬車の駅の跡がある ってことだったのですが、崩れた壁がわずかに残っているのみで、イマイチ。

午後は、気を取り直して Carlsbad Cavern国立公園へ向かいました。ここは今回の旅行の目玉の１つで、 世界最大と言われる鍾乳洞（総延長30km、最深部300mだとか）と、 約50万羽ものコウモリが一斉に飛び立つ、大飛翔という自然のショーがあって、 世界遺産にも指定されているんだそうです。
で、到着して早速、鍾乳洞のトレイルへ。５時で見学コースはクローズするけど 所要時間がだいたい２時間くらいなので、入場締切りは３時でした。ほとんど最後、 滑り込みセーフって感じで入場しました。洞窟に入る直前に、レンジャーのおじさんが 数分間、洞窟内での注意事項を説明してくれました。柵を越えて岩肌に手を触れるな （手の油で鍾乳洞の成長が止まるらしい）、タバコは吸うな、急な斜面があるから 慌てず自分のペースで歩け、というようなところでした。注意を聞かされたあとは 個人個人で勝手に洞窟の中へ進入。入り口からしばらくの部分は、鼻につく 異臭が当たりに立ち込めてました。コウモリの集団のネグラだからそうですが、、 しばらく奥へ降りると、暗闇の世界。もちろん、ところどころに照明はありましたが ほんとに真っ暗闇な区間もあって、懐中電灯持参で正解でした。 で、残念ながら洞窟内部は光量がかなり足りなくて、なかなか良い写真がとれません でした。一般人が歩けるのは長さ約7kmほどの区間ですが、正直いって鍾乳洞の 美しさでは、幼い頃行った山口県の秋吉台秋芳洞のほうが上だったような。。

さて、夕方には、コウモリの大飛翔が待っています。これは、夏季に毎日日没に なると洞窟の中で眠っていたコウモリがエサを求めて一斉に飛び立つというもので、 人間の手は全く介さない、自然の驚異の一大ショーです。数が多いので20〜30分から ピーク時には２時間以上も続くんだとか。 洞窟の入り口のところは屋外ステージのようになっていて、このショーを見ようと いう人でごった返し、日没前が観光のピークって感じでした。 1000人近く残ってたんじゃないかな。 この日は５時半からレンジャーによる解説が始まって、コウモリの生態だとか いろいろ説明してくれました。飛翔が始まるのはだいたい日没15分くらい前だけど 一定してるわけではなく、最初の数羽が洞窟から飛び出したら、後は怒涛のように ついていくんだそうです。で、飛翔が始まるまでレンジャーのおじさんの ワンマンショーって感じでジョークを混ぜながら話しを続けてましたが、この日は なかなか飛翔が始まらず、最後のほうは話しのネタも切れて、カモ〜ンとか 叫び出す始末。ようやく始まったのは完全に日が暮れた７時過ぎ。 数羽のコウモリが結構なスピードで洞窟の上空を旋回しはじめたかと思うと、 あとはどっと湧き出すようにコウモリが飛び立っていきました。
しか〜し！！既に暗くてほとんどその様子が見えませんでした！！ コウモリを驚かすので人工照明やカメラのフラッシュは厳禁という規制があって、 薄暗がりの中、かすかにコウモリの集団が見える程度。。もっと早く飛び始めて くれればな〜って感じでした。周りの観光客もがっくりと帰路を急ぐ人が多く、 かなり期待はずれな感じでした。やっぱり10月という、シーズンの終わりに近い 時期に来たのが敗因だったようです。残念。


以下の写真はクリックすると拡大します


国道US62から見た、Guadalupe国立公園。テキサス州でいちばん高い場所だそうです。


Guadalupe国立公園のビジターセンター前にて。


Carlsbad Cavern国立公園の、鍾乳洞の入口。


洞窟の中はこんな感じ。これはDevil's Spring（悪魔の泉）という地点。 なんか、アメリカの国立公園ってDevil's〜っていう命名が多いんだよな。。 語彙が貧困ですね。


おお、これは美しい自然の造形・・この地点で写真をとってるオヤジは みんなニヤニヤしてました（笑）